黒米は古い稲の遺伝子を残す品種だ。米の表皮(ぬか)にアントシアニンという色素をたくさんもち、炊くと水分に色素が溶け出て赤紫色になる。アントシアニンは赤ワインにも含まれ、強い抗酸化力がある。それ以外にもビタミン類やミネラル類の含有量が多いので、お米に混ぜて炊くと、微量栄養素の摂取が容易にできる、健康志向のお米である。玄米3合に黒米を大さじ2を入れて炊くと、全体が赤飯のように鮮やかな赤紫色に仕上がる。ヒラキはこの色付けが好きで、時々白米や玄米に加えて炊く。上に緑色の野菜の薬味を載せるとその色合いだけで食欲が増す。
今回は三種類の“のっけご飯”にしてみた。「①マグロのアラの生姜煮+刻み大葉」「②アジとカツオのなめろう+きゅうり」「③あん肝の味噌漬け+大葉+みょうが+ねぎ」。どれも少し濃いめの味の具材+野菜の薬味という組み合わせだ。味の濃い酒の肴は、それだけだと飽きてしまうので、残ったら野菜の薬味と合わせてご飯の「のっけ」具材にアレンジする。料理が面倒な時はこれ一品でも、食事として立派に成立する。
今回のお米屋さんの昼ごはんは「黒米を加えて炊いた玄米のっけご飯」でした。