世界で栽培されている米は、1,000種類以上あるといわれていますが、現在、流通している米は主に3つに分類することができます。
「ジャポニカ米」
ジャポニカ米の形状は、丸みを帯びた楕円形で、加熱すると粘り気が出るのが特徴です。
この米は「日本型」とも呼ばれており、文字通り日本でよく食べられているものです。日本で栽培されている多くの米がジャポニカ米で、世界で生産されている米の約2割を占めます。
暖かく雨が適度に降る地域が適しており、日本・朝鮮半島・中国北部を中心に栽培されています。
ジャポニカ米の食べ方は、炊いたり蒸したりして食べるのが一般的です。
また、中国は世界の中でも米を最も多く生産している国で、東北部の遼寧省(りょうねいしょう)・吉林省(きつりんしょう)・黒竜江省(こくりゅうこうしょう)での栽培が盛んです。ちなみに、その他の地域ではインディカ米を栽培しています。
米の生産量世界第一位を誇る中国ですが、人口増加によって国内の米の生産だけでは間に合わないため、米の輸入量も増えています。
「インディカ米」
インディカ米は「インド型」とも呼ばれています。
ジャポニカ米と比べ、非常に細長い形状で、加熱しても粘り気は少なくパサパサしています。
高温多湿な地域が適しており、インド・タイ・ベトナム・中国・アメリカ大陸で生産されています。
インディカ米の食べ方は、煮て食べることがほとんどです。
1993年、米の不作により、日本政府が海外から「タイ米」として輸入したのがインディカ米でした。
世界各国では、米は主食ではなく野菜として調理するのが一般的で、日本人が食べるジャポニカ米とは調理法が異なり、インディカ米を普段通り炊いて食べた結果、「パサパサのおいしくない米」として広まってしまったのです。
*浮き稲
インディカ米を栽培している地域では、「浮き稲」という風変わりな米を育てている場所があります。浮稲は、タイ・バングラデシュなど東南アジアの比較的雨量が多い土地で栽培される珍しい稲です。
水田の水の量が増えて水位が上がり、それと同時に稲も丈が伸びるため、この稲を水上から見ると浮いているように見えることから、「浮き稲」と名付けられました。
「ジャバニカ米」
ジャバニカ米は「ジャワ型」とも呼ばれています。
この米はそこそこ大粒で、ジャポニカ米とインディカ米の中間にあたる形状をしています。
あっさりした味で、加熱すると少し粘り気が出ます。
亜熱帯地域が適しており、ジャワ島・インドネシア・東南アジア・イタリア・スペインで栽培されています。
インディカ米・ジャポニカ米と比べると、生産量は非常に少なく珍しい米でもあります。
現在は、イタリアなどでパエリヤやリゾットに使われています。
世界には様々な種類のお米があります。
それぞれをいかした調理法で調理すればどのお米も美味しく頂けます。